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2011年6月 2日 (木)

龍谷大学図書館所蔵『山田盛太郎文庫』付属資料-3(11年7/17改訂)

 「戦後再生産構造の段階と農業形態」
  ―Iv+m=IIcおよび蓄積のSchemaの崩壊と再編―

 谷大学深草図書館所蔵の山田文庫付属資料には上記の論稿は二種類の版本を所蔵する。 
 一点はB4サイズの縦長の天部を綴じた元版(旧版)。 全14頁。
表題には上から1)「昭和38年度」2)「経済企画庁・経済研究所・地域構造研究会、総括報告」、3)著者名、4)表題、5)「昭和39年3月23日」とある。
 もう一点は上記の元版の誤植の訂正を行い、サイズをB5変形サイズの一般的な横綴じ冊子版に変え、4)表題、6)「昭和39年3月」と3)著者名が印刷されたもの
新版)。全25頁。

 資料には旧版、新版共に著者の手控え本と思しきものがあり、旧版には「山田」の印が押され、新版では「台本」の文字が記されている。

 料の中には著者の手元控え本と思われるものがあり、それを見ると、新旧両版共に著者により多くのアンダーラインが引かれ、さらに表の数字の検討ならびに対比のための工夫が何度も行われ、かつ、いくつかの備忘のための註記の形跡をも見ることができる。
 これらのアンダーラインは、著者が生前日本資本主義の戦後段階の位置ならびに本質についての分析について説明される折には必ず留意点として指摘され、我々に注意を喚起しておられたものと一致し、新旧各版共にほぼ同じ文言の箇所にラインが引かれている。
 とりわけ新版は何度も読み返し、論旨を確認しておられる様子を窺うことができるし、様々な数字を再検討することで、論旨をより立体化させようといろいろと検討された形跡をこれらから読み取ることができる。 また、これらの冊子を持たれて何度か研究会や勉強会に臨まれたものと思われる。

 この資料は、著者が主査として担当された経済企画庁、経済研究所、地域構造研究会での総括報告として提出された(1962年8月)もの(旧版)であるが、提出に先立って印刷に付された「地域構造研究会の主眼点-方向づけ-について」(1962年8月、経済企画庁経済研究所『第一回地域構造研究会議事要旨』 『著作集』第五巻、p87~89、に収録)と併せて読むことでも当資料の位置が確認できる。

 ※ 当資料の一部を写真撮影したものを参考のために下記に収録します。 ご覧にあたっては、仕上がりが余り良くないので見辛い点があるかとは想いますが、大変申し訳御座いません。 何卒、ご寛恕の程を!

1)旧版、表紙
2)旧版、p7
3)旧版、p9
4)新版(台本版)の表紙と正誤表
5)新版(台本版)p6~7
6)新版(台本版)p10~11
7)新版(台本版)p12~13
8)新版(台本版)p14~15
9)新版(台本版)p17

【PS1】- 2011/07/17
 本文中の「Fig 2. 戦後段階を規定する対抗的諸要因」(『著作集』第五巻、p.9)には若干の説明を追加しておこう。
 この一枚の表は元々1962年4月発行の『日本資本主義構造研究会月報』No.9(事務局:専修大学社会科学研究所内)に掲載された「戦后循環の性格規定(準備的整理報告の要旨)」(後述の『年報』においては「戦後…」)において初めて関係者以外に公開された。 その後、専修大学『社会科学年報』第1号、(1966年[昭和41年]3月発行)に若干の改訂を加えて再収録され、さらに再び表に改訂を加えて改めて「戦後再生産構造の段階と農業形態」へも掲載された。
 当初の『月報』『年報』掲載時においては共にこの表には表題が無く、「戦後再生産構造の段階と農業形態」にいたって初めて「Fig 2.戦後段階を規定する対抗的諸要因」という表題をつけ下部に「備考」が追加された。(注1)

 この表は、「戦後再生産構造の段階と農業形態」中の表「Fig 2. 戦後段階を規定する対抗的諸要因」の「備考」の1にあるように「本表はもと対抗的諸要因から若干の傾向をさぐる手控えとして作成された」と書かれていることへの理解が重要である。 したがって本来、「戦後段階を規定する対抗的諸要因」を一枚の表によって鳥瞰するのに便利なように手書きでつくられ、研究の進捗と共に幾度かの改訂が施されてゆく性格のものであったことへの理解が必要である(注2)(注3)

 注1:ただし、『月報』版は全てオリジナルの手書きであり、『年報』版は表が全て活字化された。 昭和39年版の「戦後再生産構造の段階と農業形態」版の「Fig2.」は旧版においては表題、備考をはじめ表の全てが手書きであるが、新版においては表題と備考は活字になったが表は手書きのままである(著作集版ではFig2.は全て活字化された)。
 注2:個別的に書き上げなくて申し訳ないが、それぞれの文中には表を参照せよとの指示がある。 また、山田先生は、かなり後年になられてもこの表を用いて説明をされることがあり、この表がもっていた重要な位置が理解できる。
 注3:したがって、その後、印刷をするために無理やりに活字化することで生じる画面上に幾許かの無理が生じたのは致し方なかろう。 私は、本来は元の手書き版で対応すべきであったと思う。
 これ以上仔細を追いすぎて、木を見て森を見ざるの弊に陥ってはなるまい! もうこれ以上の注釈をつけると“おまえに訓詁学なぞ教えた覚えなぞ無いぞ!”と山田先生に叱られそうである。


【PS2】
 また、ここで蛇足かとは思うのですが、「龍谷大学図書館所蔵『山田盛太郎文庫』付属資料」記事とは別に、当サイトにおいては順次以下の資料を掲示し、山田先生の戦後分析の思索の後を紐解き、当稿を含めた戦後段階の分析の足跡を辿りつつ、山田先生の戦後分析研究の跡を鳥瞰・整理し、山田理論というものへの理解を促すための一助とすべく、下記の記事を編集してみようとおもいます。
○『日本資本主義構造研究会会報』から
○『再生産構造研究会月報』から
○『戦後日本資本主義における再生産構造の段階と循環に関する基礎的研究』より
○『日本農業の再生産構造に関する研究』より
○『専修大学社会科学研究所月報』から
等々

【2011年7月17日 記事追加】

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