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2009年7月12日 (日)

廣松渉氏文献資料-1 (編年体による整理)[2012-01-14 改訂]

 図書館やネット上において、廣松渉氏の著作物を探そうとすると、その数のあまりの多さに、また驚くほどの広い範囲に、これでもかと次から次から出てくる様々な論文(集)や論稿、対談(本)などの書物だけではなく、多種多様な雑誌類や新聞の記事等に掲載された夥しい数の書き物の大洪水を発見し、唯々途方に暮れて、手をこまねき、言葉も失って、一体どこから手を付けて良いものかと思案の末、思わず立ち尽くしてしまう。

 かくも膨大で多方面にわたる書き物の巍々たる大山塊を押し立て、様々な口碑伝説を流布させて、我々をこの世に置き去りにされたまま、1994年5月22日に廣松氏は鬼籍に名を連ねてしまわれた。

 残された我々にとって、体系を志した彼の業績を理解しようとするとき、彼の弟子達によって周到にかつ懇切に用意された大部な『著作集』や『コレクション』の類も、廣松理論に慣れ親しんだ方々にとっては気配りの利いたそれらの書物であるかもしれないが、新たに彼の論稿を繙き始めた者にとっては、そのような丁重なお膳立てが設えてあっても、まるで自分が大海に飲み込まれた小舟のように不安を感じうろたえずにはいられない。
 しかし、それでも彼の世界を渉猟し、彼の求め已まなかった本質へ何とか迫ろうとするとき、個々の初出の論稿から様々なプロセスや版を経由して辿り着いた最終版までの総ての資料を手元に集めることは極めて至難の技であり、かつそのような余裕を捻り出すことは難しい。我々にとっては、初心である廣松渉を理解するためには何が核心であるのかを終始忘れてはならず、小道に迷い込むようなことは避けなければならない。
 言い換えれば、まず、慎まねばならないことは、あまりにも細かく書誌なるものを追求し出すと、肝心の廣松渉が霞んでしまい、廣松渉が追求してやまなかった彼によって提起された問題の核心本質を捉えるという本来の目的を喪失し、容易に大きく道を外れてしまいかねないことへの危惧であろう。
 そこで、多少の取り残しが有ったとしても、彼の活動の全体が見渡せる視点を確保する上から、以下、『廣松渉文献資料』の1から5までの枠組を作り、彼の求めたものを全体として捉えるための枠構造を作ってみることにした。
 これにより、ただ闇雲に読み進む不安から解放され、文中に散見する廣松氏からの指示と、当枠組からくる作品の位置情報を頼りに、少しでもより近くを射貫くことが出来はしないだろうか、との思いでこの資料達は作られた。

【PS】上記の通り、これはもともとは当稿筆者の手控えであったものが膨らんでできたものであり、作成にあたっては出来るだけ意を注いだつもりではあっても、思わぬ書き写し間違いや、思い違い等々の誤りが在ることをただただ恐れます。 当稿をネット上に公表するに当たって、これらをお読みいただく場合、この点へのご理解とご寛恕をどうか賜りたい。 従って、追加の情報が必要になった時や、誤りに気付いた場合、さらに改訂が必要となった段階で、お断りをしないでその内容を加筆または修正を加えるつもりです。 また、ネットによる参照可能な私的手控えであるとの前提からも、内容への論評は別稿に委ねられるべきであり、廣松氏の著作物全体への鳥瞰であることを唯々旨とした。
 当初はコンパクトなものを志して編集に入ったものの、最終的にできあがったものは全く正反対の極めて大部なものへと成長してしまったことに対し、内心忸怩たるの感を禁じ得ない。 しかし、廣松氏の作品があまりにも多いこと、どうしても併記しておかねばならない事共が山積し、あまつさえ編者の能力の至らないという不幸が重なったために、このような結果と相成りました。 ここでは、廣松氏の御遺徳のに縋り、当稿をご覧いただける諸兄姉がもしもおいでであれば、偏にそのご海容の程を唯々期するのみであります。
 泉下の廣松先生も何卒お許し下さい。

 廣松渉著作目録 [翻訳を含む]

 まず最初にお断りしなくてはならないことは、当目録は決して廣松 渉氏の著作物を総て網羅しようとしていることではなく、廣松 渉氏が求めて止まなかった問題の核心部分へ迫るための筆者の手控えであるということへのご理解賜った上でご覧いただければ幸甚です。

 目録は下記の書式に従っています。

 煩雑を避ける上から以下人名の表記には敬称を略させて頂いた。 各出版物(『』内で示した)は初版の発行年代順にならべられ、発行年は括弧内で年月(年/月)のみを記し、増補、改訂等がある場合は続けて書き足し、各書物のその後の流れが分かるようにした。『廣松渉著作集』(岩波書店)と『廣松渉コレクション』(状況出版)はそれぞれ『著作集』『コレクション』と略記する。
 【注】は総て筆者によるもので、内容の責任は総て筆者にある。
 廣松氏の論稿の位置を際だたせる上で意味があると思われる歴史的事実を
ブルーで、廣松氏の年譜を灰色にて示しました。

1933年、生誕

1950年:日本産党、「“日本の情勢について”に関する所感

1954年、東京大学入学

1955年:日本共産党、第六回全国協議会(所謂六全協)


『日本の学生運動』-その理論と歴史-
  東大学生運動研究会(著者:門松暁鐘、中村光男、伴野文夫)
  新興出版社(1956/06)
  【注1】門松暁鐘は廣松渉のペンネーム
  【注2】『哲学者廣松渉の告白的回想録』(廣松渉述、小林敏明編 河出書房新社、2006年3月発行)のp.145、p.150から170あたりまでを参照されたし
  【注3】『日本の学生運動』目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅲ】補遺1を参照


1956年:ソ連第一書記長フルシチョフによる第20回党大会におけるスターリン批判
1960年:日米安全保障条約・行政協定調印。米大統領の訪日が中止。岸総理大臣刺傷、浅沼稲次郎刺殺。安保闘争が激化、三池炭坑争議始まる。
○1950年代後半から1970年代を通して中ソ論争が展開。また、1960年代後半から70年代にかけて中国文化大革命が展開。


1959年、東京大学文学部哲学科卒業

『感覚の分析』

  マッハ著(須藤吾之助との共訳)
  創文社 (1963/10)
  法政大学出版局 叢書ウニベルシタス:26 (1971/10)

『現代資本主義論への一視角』
 社会主義研究会
 社会主義研究会 改訂増補版 新左翼叢書4
    -中ソ両派との批判的対質のために
  【注1】著者は『現代革命論への模索』―新左翼革命論の構築のために(盛田書店:1970年)において当書への参照を求めている。
  【注2】廣松渉氏自身の寄贈図書[初版、改訂増補版ともに平成17(2005)年に寄贈された旨の印が押されている]が東京大学総合図書館に所蔵されている。
 初版は本文が60頁、書名の左下に「社会主義研究会」とのみ記載があり、発行年、執筆者、発行所等の記載はない。
 改訂増補版は本文が92頁、副題が付く。表紙右肩に「新左翼叢書4」とあり、表紙左下には初版と同じ「社会主義研究会」の記載がある。また、本文に先立って「改訂新版への序」が加わり、末尾には「お知らせとお願い」の囲み記事があり、連絡事務所が東大の構内から新宿の「レボルチオン社」の気付となった旨の記載がある。
 特筆すべき事は、東大総合図書館蔵書の改訂増補版の本文には鉛筆で数多くの訂正の記載が加えられており、図書館司書の方も、おそらくは教授による訂正文ではないかとの感想がありましたが、その内容を逐一検討してみると、まずそうであろうと思われます。
 東大総合図書館所蔵の初版、改訂増補版共に発行年月日、発行所についての記載がないが、著者としては「社会主義研究会」とある。他方、『著作集』第15巻の「年譜」、「著作目録」によれば、初版は1964年7月にレボルシオン社から匿名にて発行とされ、改訂増補版は発行日は不明としつつも、1965年夏頃にとの記載がある。参考までに。

1964年8月2日、トンキン湾事件。以後アメリカは本格的にベトナムに介入。

1965年、東京大学大学院博士課程単位取得退学
同年結婚

『認識の分析』
  マッハ著(加藤尚武との共編訳)
  創文社 (1966/10)
  法政大学出版局 新装改訂版 りぶらりあ選書 (1971/09)
  法政大学出版局 改訂版 叢書ウニベルシタス:740 (2002/05)
  【注】当書には廣松の「マッハの哲学と相対性理論」を収録。


1968年1月29日、東大医学部学生自治会、医師法改正に反対し、無期限ストに突入(→東大紛争の発端)!
6月28日、全学共闘会議結成。

『マルクス主義の成立過程』
  至誠堂 (1968/06)
  至誠堂 部分的改訂版 (至誠堂新書:61) (1974/09)
  至誠堂 至誠堂選書:15 増補版 (1984/11)

『エンゲルス論』―その思想形成過程
  盛田書店 (1968/10) 三刷目は盛田書店倒産により新泉社より
  情況出版 新装復刻版 (1994/09)
  筑摩書房 ちくま学芸文庫:ヒ-2-1 (1994/12) 編集・解説 佐々木力
  【注1】ちくま学芸文庫版には編者である佐々木氏によって「凡例」が文庫編集にあたっての留意点として巻頭に掲げられ、末尾には解説として「二十一世紀におけるマルクス主義の再生のために」が納められた。かつての同僚である佐々木氏による解説は当書の一般的解説の後に「マルクス主義研究史における本書の意義」「著者にとっての本書の位置、そして文庫版が刊行されるまでの経緯」という一節がある。また、佐々木力氏は『著作集』第九巻、エンゲルス論の「解説」も執筆された。
  【注2】ちくま学芸文庫版では編集者の佐々木氏により、著者の書き込み本における削除、追加ならびに訂正箇所が文中に記号を使って(注ではなく)明示され、初版時のものと比べることができる丁寧な編集となっている。

1969年1月18日、加藤学長代行の要請により、東大安田講堂に立て籠もる学生を排除するために機動隊が導入され、2日にわたる攻防が繰り広げられ、631人の逮捕をもって安田講堂は陥落した。

『近代知生への反逆』
  東京教育大学自主講座委員会編
 執筆者:松村 健、武岡克郎、梅沢謙蔵、もののべ ながおき、廣松 渉、柴田高好、鳥居 淳、宇野浩志
付録:教育大筑波移転阻止闘争年表
  學藝書林(1969/05)
  【注1】『近代知生への反逆』目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅲ】補遺1を参照
  【注2】東京大学総合図書館に所蔵

『マルクス主義の地平』
  勁草書房 (1969/09)
  講談社 講談社学術文庫:956 (1991/01) 解説=高橋洋児

『現代革命論への模索』―新左翼革命論の構築のために
  盛田書店 (1970/04)
  新泉社 (1972/07)
   【注1】旧版の再刊本。この版では副題が省かれている
  新泉社 改装版 (1975/04)
  【注2】この版でも副題が省かれている
  【注3】当書目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅲ】補遺1を参照。

深夜討論『知識人の虚像と実像』
  相沢義包、冨岡倍雄、村尾行一との座談
  亜紀書房 (1970/05)
 【注】当書目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅲ】補遺1を参照。

『唯物史観の原像』
  三一書房 三一新書:737 (1971/03)

『論理学のすすめ』
  大森荘蔵、城塚 登編
  筑摩書房 学問のすすめ:19 (1971/01)
  【注1】当書にて分担執筆した論稿を『世界の共同主観的存在構造』中のⅡの二、「判断の認識論的基礎構造」として再録した。
 【注2】『廣松渉文献資料-4』の【Ⅳ】補遺2を参照。

『青年マルクス論
  平凡社 (1971/12)
  平凡社 平凡社ライブラリー:654 (2008/11) 解説=小林昌人
 【注】『著作集』第八巻p.686の小林氏の解題を参照のこと。

『世界の共同主観的存在構造』
  勁草書房 (1972/10)
  講談社 講談社学術文庫:998 (1991/11) 解説=熊野純彦
 【注1】当書の目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅴ】を参照。
 【注2】岩波書店『著作集』第一巻解題(小林昌人著、p.545)には当書には「文献学的に厄介な問題が存在する」と述べ、第二部第二章の元になった『論理学のすすめ』中の原論文と当書中の論稿との関係についての注意書きがある。

『科学の危機と認識論』
  紀伊国屋書店 紀伊国屋新書:A-70 (1973/05)
  紀伊國屋書店 新装版 (1977/10)
  紀伊國屋書店 (1995/02)

『マルクス主義の理路』
  勁草書房 (1974/05)
  勁草書房 新装版 (1980/04)
 【注1】この新装版から副題の「ヘーゲルからマルクスへ」が追加された
  勁草書房 改装
版 (2009/05)(注:装丁のみを一新)
 【注2】『著作集』第十巻p.560には廣松理論の本質に触れる『理路』のプランにまつわる「解題」が小林氏により掲載されている

『編訳、K・マルクス/F・エンゲルス/:ドイツ・イデオロギー』
  (手稿復元・新編輯版、原文テキスト編・邦訳テキスト編の全2巻)
  河出書房新社 (1974/06)
  河出書房新社 復刊、新装版 (2006/07)

『資本論の哲学』
  現代評論社 (1974/10)
  勁草書房 増補新版 (1987/11)
 平凡社 平凡社ライブラリー:708 (2010/09) 解説=石塚良次

1975年4月30日、サイゴンが陥落し、ベトナム戦争が終結。

『事的世界観への前哨』―物象化論の認識論的≈存在論的位相
  勁草書房 (1975/05)
  筑摩書房 ちくま学芸文庫:ヒ-2-3 (2007/10) 解説=野家啓一
 【注】上記副題中の“≈”は、勁草書房の原本では“~”を上下に二つ重ねた特殊記号で、近似的に等しい,同相、“ALMOST EQUAL TO”という意味に用いられたのであろうか? 『著作集』、ちくま学芸文庫版共にこの表記を“=”で表し、“≈”に注意が払われていないのはおかしいのではないだろうか!

『現代哲学の最前線』
  第2回 哲学奨励山崎賞 受賞記念シンポジウム
 廣松渉 + 山崎賞選考委員会
 1975年11月20日、河出書房新社発行

『哲学に何ができるか』―現代哲学講義
  五木 寛之との対談
  朝日出版社 Lecture books (1978/12)
 【注1】別冊の「注釈集」が付属
  中央公論社 中公文庫:い-23-2 (1996/05)
 【注2】当書目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅳ】補遺2を参照。

『もの・こと・ことば 』
  勁草書房 (1979/09)
  勁草書房 新装版 (1997/04)
  筑摩書房 ちくま学芸文庫:ヒ-2-2 (2007/01) 解説=熊野純彦

『仏教と事的世界観』
  吉田宏晢との対談
  朝日出版社 エピステーメー叢書24 (1979/12)
 【注】『廣松渉文献資料-4』の【Ⅳ】補遺2を参照。

『弁証法の論理』―弁証法における体系構成法
  青土社 (1980/01)
 青土社 新装版 (1989/01)

『<近代の超克>論』―昭和思想史への一断想
  朝日出版社 エピステーメー叢書28 (1980/04)
  講談社 新訂増補版 講談社学術文庫:900 (1989/11) 解説=柄谷行人
  【注】講談社学術文庫版では副題が「昭和思想史への一視角」と変更。4枚の図版が省略され、末尾に新たに「注」が追加され、人名索引は見やすく編集。
  【PS】私見ではあるが、文庫版の「学術文庫版への序」よりは、旧版の「はしがき」を、また廣松氏の他のエピステーメー叢書(『仏教と事的世界観』参照)にも共通することであるが、その独特の装丁等も捨てがたく、できればカバーや前後の見開きの絵画、論稿中の図版等をも文庫化に際して保存して欲しかった。

『マルクスの思想圏』-本邦未紹介資料を中心に
  補注:井上五郎
  朝日出版社 (1980/12)
 【注1】「あとがき」p.442において「とりあえず『ライン新聞』期までのマルクスに主題を限定することにした」とある
 【注2】「序文」p.3に「雑誌『エピステーメー』(1975年10月号~76年10月号)に連載した対話体の論稿「マルクス・エンゲルスの思想圏」を基に井上が改訂・増補を加え(本文に関しては可及的に原形を残しつつも註を大幅に増訂)、それを更に廣松が添削(文体の修辞的統一と註を追録)して成ったものである」とある 

『相対性理論の哲学』
  日本ブリタニカ ブリタニカ叢書 (1981/06)
   板垣良一との共著
  勁草書房 改訂増補新装版 (1986/01)
   勝守 真との共著  【注】共著者が変更された

『新左翼運動の射程』
  ユニテ (1981/07)
 【注1】巻末に小林敏明氏による解題として、“編者付録「廣松哲学の諸論点」”が掲載されており、著作年譜(Ⅰ単行本、Ⅱ新聞・雑誌掲載)がそれに続く。
 【注2】当書目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅲ】補遺1を参照。

『唯物史観と国家論』
  山本耕一との共著
  論創社 (1982/02) 
  講談社 講談社学術文庫:882 (1989/07) 解説=青木孝平
 【注】文庫化に際し、新たに「はしがき」と「緒言」が追加され、旧版の「序文」は削除された。また、廣松氏の論稿が「第I部 国家論の方向定位」とされ、共著者山本耕一氏の論稿部分は「附論」から「第II部」と編成替された。

『存在と意味』―事的世界観の定礎  第1巻 認識的世界の存在構造
  岩波書店 (1982/10)
 【注1】1993年11月発行の第6刷以降(第2巻の発行と同時に)第1巻以下の標題を表示。
 【注2】当書の目次は『廣松渉文献資料-5』を参照。

『メルロ=ポンティ』
  港道 隆との共著
  岩波書店 20世紀思想家文庫:9 (1983/07)
 【注】 『メルロ=ポンティ』の執筆分担
 内篇:メルロ=ポンティ哲学の輪郭と軌跡 (港道)
 外篇:メルロ=ポンティと間主体性の哲学 (廣松)
  年譜・参考文献 (港道)

『物象化論の構図 』
  岩波書店 (1983/11)
  岩波書店 岩波現代文庫:G-39 (2001/01) 解説=熊野純彦

『現代思想の境位』 (エスエル現代歴史思想選書 2)
 編・対談:高橋順一、対談者:吉本隆明、廣松 渉、柄谷行人
 エスエル出版会発行、鹿砦社発売 (1984/04)
 【注1】廣松氏と高橋氏の対談「近代知の地平の超克へ向けて」の見出しについては『廣松渉氏文献資料-4』の【Ⅳ】を参照されたし。
 【注2】当書の後半は編者高橋順一氏による「現代思想の境位-物象化論の問題構制と廣松渉の『ヘーゲル-マルクス』解読」がある。


『資本論を物象化論を視軸にして読む』

  高橋洋児、吉田憲夫、山本耕一、石塚良次、須藤 修との共著
  岩波書店 岩波セミナーブックス:18 (1986/07)
  【注1】原題では「物象化論を視軸にして」が割り注形式で書かれている
 【注2】『廣松渉文献資料-4』の【Ⅳ】補遺2を参照。

『生態史観と唯物史観』
  ユニテ (1986/07)
  講談社 講談社学術文庫:977 (1991/07) 解説=吉田憲夫

『共同主観性の現象学』
  増山眞緒子との共著
  世界書院 (1986/10)
 【注1】現象学叢書『Phaenomenologica』全27巻中の第3巻。
 【注2】廣松は「はしがき」で「本書は、哲学畑と心理学畑との両名の者が共同主観性の成立機序を発生論的に論じようとしたものであって、既成現象学における共同主観性理論の紹介ではない」と記し、さらに第一部「予備的註記事項」の冒頭においても「本書は「はしがき」にも記した通り、現象学の既成理論を紹介したり検討したりするものではなく、著者たち自身の共同主観性論を主として発生論的視角から説述するものである」とし、増山も第二部の冒頭において「本稿は、知覚のもっとも原始的な様式を表情知覚であると捉え、表情知覚現象のその内部で可能となる「情動の場」にさかのぼって共同主観性の成立のメカニズムを明らかにしようとするものである」としている。
 【注3】当書の目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅳ】 補遺2を参照。また、現象学叢書『Phaenomenologica』全27巻の全容については【Ⅰ】を参照。

『東アジア世界史探究』
  滕維藻、王仲犖、奥崎裕司、小林一美編
  汲古書院 (1986/12)
 【注1】当書は1984年「日本中国史家学術訪中団」が帰国後に、「日中朝三国の歴史家による共同の学術論文集」で、廣松氏執筆分は第6章の第6論文「マルクスにおける歴史法則観に寄せて」で、『マルクスの根本意想は何であったか』情況出版(1994/05初版)に収録、『著作集』第14巻には単独で収録された。
 【注2】目次と廣松氏執筆箇所は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅳ】補遺2を参照。

『新哲学入門』
  岩波書店 岩波新書:新赤版5 (1988/01)

『哲学入門一歩前』―モノからコトへ
  講談社 講談社現代新書:916 (1988/09)

『身心問題 』
  青土社 (1989/01)
  青土社 増補新版 (1994/05)
  青土社 第3版 (2008/07)
 【注】第3版では村田純一による“「『心身問題』の現代的意義」第3版へのあとがきに代えて”が巻末に加えられた。
 【PS】青土社版と『著作集』版とでは本文と注の配置方法が異なっていることに注目されたし。初版の「はしがき」末尾には次のような記載がある。「注欄はすべて新規に追録したものです。旧稿を発表して以後の研究情況に鑑みて追補を必要と考えた事項は、本文に繰り込む途のある場合でも、敢て注欄に誌すことにしました。本文欄は、右記の事情からして、それ自身で完結している、とも言え、従って、注欄を無視して読み進んで頂いても論旨は通ずると念います。しかし、補注のなかには独立の小論文とも呼べる性格のものもありますので、適宜通読頂けると幸いです。」

『表情』
  弘文堂 弘文堂・思想選書:3 (1989/03)


1989年6月3日、天安門事件。
同11月10日、ベルリンの壁取り壊しが始まる。

『シンポジウム』 柄谷行人(編著) 思潮社(1989/12)
 【注】第4章にあたる部分で、「〈近代の超克〉をめぐって」と題する座談が廣松渉、浅田彰、市川浩、柄谷行人の四人によって行われた。詳細見出しは『廣松渉氏文献資料-4』の【Ⅳ】を参照されたし。

『今こそマルクスを読み返す』
  講談社 講談社現代新書:1001 (1990/06)

『マルクスと歴史の現実』
  平凡社 (1990/07)
  平凡社 平凡社ライブラリー:284 (1999/04)

『知のインターフェイス』―広松渉 学際対話
  対話者:清水 博、塩沢由典、今村仁司、広重 徹、村上陽一郎、田辺繁治、真木悠介、宮本忠雄、木村 敏、中川久定、甘利俊一
  青土社 (1990/11)

『ヘーゲルそしてマルクス』
  青土社 (1991/10)

『歴史的実践の構想力』
  小坂修平との対談
  作品社 (1991/11)
【注】当書目次は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅲ】補遺1を参照。

1991年12月25日、ソ連大統領ゴルバチョフ辞任。 ソビエト連邦の崩壊。

『現象学的社会学の祖型』―A・シュッツ研究ノート
  青土社 (1991/12)
  【注1】当書は“『現象学的社会学の展開』-A・シュッツ継承へ向けて”、青土社 (1991/12)、と姉妹関係にあり、同書の巻末には廣松氏による「跋文に代えて」(全22頁)が掲載されている
  【注2】当書の初出は雑誌『現代思想』(青土社)の1986年4月号(第14巻)から1989年10月号(第17巻)にかけて、総計17回連載された「社会的行為論ノート」を中心としており、この連載中の第5章「シュッツの「他者理解」論・外編」(連載第6回目[1986年10月]から第10回目[1987年10月]までの計5回の連載分)は別著『フッサール現象学への視角』(1994年07月、青土社より発行)として、廣松氏最後の校訂書籍として、没後の1994年7月に出版された。
  【注3】雑誌『現代思想』に連載中の「社会的行為論ノート」の目次と掲載月等の資料は『著作集』第六巻p.550の「〈資料〉社会的行為論ノート」の目次を参照のこと。
  【注4】
著者は上記注2の『現代思想』へ「社会的行為論ノート」を連載中に『思想』(岩波書店)へも「役割理論の再構築のために-表情現相・対人応答・役割行動」を同時に連載していたことに注意(総計9回分、1986年5月から1988年3月)。(これは岩波『著作集』第5巻に収録され、後年-2010年2月-『役割理論の再構築のために』と題して『著作集』第5巻を復刻する形で岩波書店から出版された

『哲学の越境』―行為論の領野へ
  勁草書房 (1992/11)
【注】『廣松渉文献資料-4』の【Ⅱ】を参照。

『記号的世界と物象化』
  丸山 圭三郎との共著、対談
  情況出版 (1993/06)
『現代思想の「起原」―記号的世界と物象化』
  丸山 圭三郎との共著、対談
  情況出版 (2005/07)

『近代世界を剥ぐ』
 篠田眞理子、天野哲彦との共著
  平凡社 (1993/11)
 【注1】『これからの世界史』、全13巻中の第1巻。廣松渉執筆箇所は、第Ⅰ章(篠田)、第Ⅱ章第4節(「“遠洋航海”以後のヨーロッパ経済・社会」天野)、第Ⅳ章第1節(「アフリカ-奴隷貿易以前と以後」篠田)以外。
 【注2】シリーズ全体は『廣松渉文献資料-4』の【Ⅰ】を参照。

『社会思想史上のマルクス』
  城塚 登、水田 洋、杉原四郎、山之内靖
 (解説:木前利秋)
  情況出版 (1993/11)
【注】当対談は1971年末に行われ、1972年の『季刊・社会思想』第2巻第1号に掲載された。巻末の木前氏による「解説-思想史の方法をめぐって」が、雑誌発表から21年後における当書刊行の意味を本文の個々の対談と絡まりつつ読む者に様々な角度から問い掛けてくる。

『存在と意味』―事的世界観の定礎  第2巻 実践的世界の存在構造
  岩波書店 (1993/11)
【注】当書の目次は『廣松渉文献資料-5』を参照。

『マルクスの根本意想は何であったか』
  情況出版 (1994/05)
  情況出版 増補改訂版 (2005/12)
【注】『廣松渉文献資料-4』の【Ⅱ】を参照。

廣松 渉1994年5月22日逝去(享年60才)

『フッサール現象学への視角』
  青土社 (1994/07)
 【注1】『現象学的社会学の祖型』青土社 (1991/12)の【注2】を参照のこと
 【注2】当書最終頁にある初出一覧の最後に、編集者は1994年6月付で次のように記した。
 「廣松渉先生は本書の校正作業を終えられたのち、本年5月22日に逝去された」。

『東欧激変と社会主義』
  実践社 (1994/07)
  発行者『東欧激変と社会主義』刊行委員会:荒 岱介
  実践社 1994年版を新訂増補 (2002/06)
  【注】熊野純彦による「廣松渉私記」を追加収録

『廣松渉コレクション』全6巻
 →内容については「廣松渉文献資料-2」を参照
 情況出版 (1995/03~1995/12)

『廣松渉著作集』全16巻
 →内容については「廣松渉文献資料-3」を参照
 岩波書店 (1996/06~1997/09)

『広松渉哲学小品集』
  小林昌人編
  岩波書店 同時代ライブラリー:276 (1996/08)
 【注】巻末に小林昌人氏による「解説と解題に代えて」が添えられている。

『ドイツ・イデオロギー』新編輯版
  廣松渉訳、小林昌人補訳 解説=小林昌人
  岩波書店 岩波文庫:白124-3 (2002/10)
  岩波書店 ワイド岩波文庫:256 (2005/06)

『カントの「先験的演繹論」』
   廣松 渉+(野家 啓一、松井 賢太郎、牧野 英二)
  世界書院 (2007/05)

役割理論の再構築のために
 岩波書店  (2010/02)
  【注】『著作集』第五巻の内容を著作集のままで、標題だけを変更し、単独の書籍として発行。

『廣松渉 マルクスと哲学を語る』単行本未収録講演集
 廣松渉著、小林昌人編
 河合文化教育研究所発行、河合出版発売(2010/04)



 ※全体への註記
【1】廣松 渉氏への理解は、下記の書物がまず読まれねばなるまい。
『哲学者廣松渉の告白的回想録』
  廣松渉述、小林敏明編
  河出書房新社 (2006/03)
  【注】生前の廣松氏からのインタビューを起こしたものを編集した。巻末にはコンパクトで要を得た年譜を収録

○『廣松渉著作集』第15巻巻末の著作目録と年譜

【2】当稿に続く『文献資料』2には『廣松渉コレクション』(情況出版)を、3には『廣松渉著作集』(岩波書店)を、4には編集に参加した講座や事典等の資料、その他の補助資料等を、5には統括としての“『存在と意味』について”を纏めてみた。
【お詫び】2011/05/11現在、上記【PS2】に掲載した『文献資料』5は現在当稿筆者の健康上の理由のため最終稿に至らず長らく“下書き”状態のペンディング中であり、健康を回復後に掲載を予定しております。不悪。



 ※改訂の記録
[2009-07-12 改訂]
 
改訂を加えるに際し、うかつにも旧稿を廃棄し、日付を改めて作成し直すというような初歩的なミスを犯してしまった。もし、それ以前のアドレスを記録されておいでの場合は大変申し訳ございませんでした。
[2010-08-28 改訂]
 今9月に雄編『資本論の哲学』が平凡社ライブラリーに新たに加わることになったようだ。楽しみにしている。 全体をゆっくり見直しをしてみたいと思いながら落ち着いて見直せていない。今年のこの暑さには閉口。体調不良により一部のみ改訂。言い訳がましい書き連ね、不悪。
[2010-09-23 一部改訂]
 
昨年9月に『
廣松渉哲学論集』(平凡社ライブラリー:678 熊野純彦=編)が出版されていたが、このリストには敢えて採用していない。理由は簡単で、この小冊子を読んで廣松氏を理解しようとは思わないし、決して人にも勧めたくないからである。不悪。全体を鳥瞰することのみが廣松氏を理解するに至る唯一の最短の径であると信ずるからである。
[2011-05-06 一部改訂]
[2011-05-10,11 一部改訂]
[2011-05-20 一部改訂] 
資料追加
[2011-05-31 一部改訂] 資料追加
[2011-06-14 一部改訂] 資料追加
[2012-01-14 一部改訂] 資料追加

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