« PCの復活! | トップページ | 書肆の居心地の悪い世界なんて・・・ »

2019年1月10日 (木)

層をなすものの関係性の繋がりについての雑感

 正月以来、気になっていたことがある。

 過去何十年に亘り恒例になっていた正月の万年筆の洗浄とペン先の調整は、厳しい体調不良によって、ここ二三年は御茶を濁す程度でしか出来なかったが、今年は体調の復活によって何時になくキッチリと出来た。

 洗浄を行うようになって三日目位に、入っていたインクとは異なる色が洗浄用のコップやティッシュに滲み出てきたのに気付いた。 最初は洗浄開始時に抜いたインクの色が出ていたのに、その日からは異なった色が溶け出し始めたのである。
 原因は直ぐに分かった。 この万年筆のインクの色をある年、他の色彩のインクに変更したことがあり、古い方のインクが恐らく層を形成していて、変更した新しいインクが古いインクの層の上に更に新しいインクの層を作っていたのが、白湯による洗浄で、こびり付いていた新しいインクの層が総て溶け去った後、以前の古いインクの層が表面に現れ、それが改めて溶け出し始めたのである。

 そう言えば、丁度体調不良の最初の年に些かよい加減な洗浄の上で、生命の危機を感じたので生きている内に使ってみたかったインクによる万年筆の再配分を行った。 それから二三年は健康上の理由からもう一つ良い加減にしか整備が出来なかったのを、今年になって改めて精を出して整備をしたことによって、残留していた古い基層の色彩までもが溶け出してきたのだ。
 更に洗浄を続けると、下にあった基層の部分もほぼ溶け終え、透明な白湯だけしか出てこなくなり、洗浄は完了。 その年に、何本かの万年筆のインクを再配分したので、その総ての万年筆に同じような現象が起こった。 新しいインクは、古いインクがこびり付いた層を基層とし、その上に新たに自分のインクの層を少しずつ重ねて新しい層を作っていったことになる。

 実にたわいもない出来事ではあったが、表面の層の下に別の層が存在し、場合によっては最後の基層となる部分まで、幾層にも積み重なった層がそれぞれ前後の層を支え、支えられながら表面の層と連なった一つの関係性を持っている、そのような状況の存在に思い至り、一人悦に入った。 嗤われるだろうけれど、惚けて忘れないうちにここに書き留めた。 誰か何かの役に立ちますかしら?

« PCの復活! | トップページ | 書肆の居心地の悪い世界なんて・・・ »